交通事故示談・示談交渉の方法
交通事故と示談
・損害賠償を証明する書類を準備する
・示談成立後は、損害賠償の増減は原則できない。
はじめに
解決手段として頻繁に行われている方法です。
ひんぱんに使われる言葉ですから、あまり示談の「意味」を考えないで使っていませんか?
「示談だから・・・」と軽い考えで交渉に臨むと後悔することになるかもしれません。
示談とはなにか?
交通事故の示談
交通事故の現場に警察官が来たのだから、損害賠償の問題も警察が協力してくれるのでは?と考える方がいるかもしれません。
しかし、警察は損害賠償という民事上の問題解決には協力してくれません。だから、損害賠償の問題は加害者と被害者間で解決するしかないのです。
その解決手段を加害者と被害者間の話し合い双方の妥協点を見つけることが示談となります。
示談で解決できること、解決できないこと
・加害者の運転免許証を停止する、点数を引くなど
という内容は示談で決めることはできません。
交通事故での示談では
加害者、被害者間の
たとえば自動車の修理代、治療費、慰謝料など
・支払方法
・支払いの時期
などが話し合う話題になります。
示談の開始時期
・物損事故の場合
見積もりなどで修理費用などが分かった時点
・死亡事故の場合
葬儀が終わり「49日」が終わったころが適切と言われています。
・傷害事故の場合
怪我の治療が終わったときか終わる見込みが立ったとき
②重症のとき
怪我の治療が終わったときか終わる見込みが立ったとき
ただし、生活費や治療代などは、ある期間ごと(例:1か月ごと)に仮払いをしてもらえるように事前交渉するといいでしょう。後遺障害については、症状固定後になります。
保険会社との交渉
・対物賠償の場合
物損のプロであるアジャスターが、事故状況や損害額を調査
専任社員が交渉担当となります。
・対人賠償
専任の社員が交渉担当となります。
交渉に必要となる書類
被害者は、損害賠償額を証明するために資料や書類を用意する必要があります。
事故があったことを証明するもの
物損費用の証明
・修理工場の見積書、請求書
人身事故の費用証明
・診療報酬明細(レセプト)
・通院費や諸費用の領収書など
・休業損害証明 給与明細や勤務先発行の証明書類など
被害を証明するのはだれ?
それは、どのような損害があったのか一番知っているのは被害者自身だからです。
だから、被害者が被害のあったことを主張・証明する必要があります。
「被害額の相場なんて(保険会社なら)知っているだろう。だからそちらで決めろ」
などの発言をされる方もいます。
「被害者の私がいっていることを信用できないの?」
「被害の証明書類を出せって疑っているの?」
と感情をあらわにするかたもいます。
「面倒なら、損害賠償の放棄をしたらどうですか?」と言い返されたりします。
また、「こちらで決めろと言われたのできめました。被害額は0円です」と言われたらどうしますか?
「信用できないのか」「疑っているのか」と感情をむき出しにしても
「お心あたりがあるのですね」と言い返されるなんてことも・・・。
交通事故で損害を被り、怒りの感情をぶつけたくなる気持ちは大変良くわかります。
しかし、示談交渉は、相手に損害を認めさせ、速やかに損害額を支払わせることが重要です。
冷静に損害額の証明書類を積み上げ、加害者側に反論の余地をあたえず、支払いを認めさせるようにしましょう。
どうしても、死亡事故で感情が抑えきれないという場合もあります。そういうときは法律、交渉の専門家である弁護士に依頼するのがいいでしょう。
示談の効果
一方、被害者は加害者から損害賠償を受け取る権利が発生します。
ただし、示談の合意が成立すると、以後同じ内容での示談のやり直しや変更はできません。
だから、交通事故に関して新たな事実が明らかになっても、損害賠償額を増やしたり、減らしたりすることはできません。
示談終了後に、後遺障害があることが判明したら?
しかし、後遺障害が事故によるものという可能性が高い場合、医師が後遺障害と事故との因果関係を認めれば示談成立後であっても、後遺障害に対する損害賠償が認められることがあります。